音職人@JR東日本京浜東北線・山手線浜松町駅(3、4番線)にある小便小僧

「音職人」を某検索サイトで検索するとバイクのアクセル操作でマフラーの音に音階を与える話が出てきますが、本記事における音職人はそういう話ではなく、設置されてからずっと同じ音を奏でている変な彫刻の方です。基本的には「彫刻や像のひとつであり」「何らかの方法により」「同じ音を奏で続ける」、そうして長きに渡り働き続けてきたまさに職人を続けてきた(社会貢献度合いは不明)構造物を指します。今回は小便小僧ですが、JR北海道余市駅の駅前ロータリーではクマが水浴びをしていますし、JR東日本北山形駅前にも小便小僧がいたりします。その中でも小便小僧は世界的に様々な場所で見られる造形物といえます。

場所 → 35°39'14.6"N 139°45'24.6"E
かなり有名な像です。ここへ行こうと決めた段階で、とりあえず所在地はおさえてはおきますが詳細な話については先入観を持つのを抑えたいので、できるだけ事前に調査しておくということはしないようにしています。



小便小僧の由来
この像は昭和二十七年十月十四日鉄道開通八十周年を記念し、歯科小林 光院長より寄贈されたもので、平和と愛のシムボルとして、色々の儀式行事等には大礼服や様々の衣装を全国の人々や小便小僧の会から贈られて、広く愛されております。
昭和三十年五月八日 浜松町駅長


寄贈 歯科 小林光 本院
昭和二十七年十月十四日建立


当然、大きさから推測するに子供をイメージしている気がしますが、目つきは完全に老職人です。目は落下点に、左手で射出方向を調整、おそらく狙った音を出すために下半身の筋肉を小刻みに振動を与えているに違いありません。ジョボジョボという、この音だけを出すためだけに68年の歳月がかかっているのです。間違いなく尿道握って1年、2年とそんなヤワな年月じゃ出せない音でしょう。音には年季が感じられます。

小便の落下点。小便はただ垂れ流せば迷惑そのものですが、落下点には水が飛び散らないように工夫がなされ、職人が気持ちよく仕事…音が出せるように幾度にも渡って環境を調整してきたことでしょう。狙ったスピードと落下点に小便が落ちなくて職人がスランプに陥ったときでも、職人を励まし、そして職人が奏でる音を支え続けてきた人々の姿が見えます。

ところで職人であれば68年も同じ尿道を使うとは思えないのでメンテナンスはされているんでしょう。良い音を奏でるにはそれなりにメンテナンスが必要なはずです。何にしても使い込めば使い込むほど良い音は出るとは限らず。結果として他所様に迷惑をかけるようではそれはもう職人とは言えないはずですから。

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