バイク旅@スマホ2台を60km/hで地面に激突させると壊れる(Umidigi Power 3、Covia g07+)
道の駅たじま。日光市の日光東照宮あたりから山形県南部の米沢までを繋ぐ国道121号線にその道の駅は存在する。国道352号線をセロー250と共に抜けてきた疲れを癒し、明日の用事に繋げようとしていたときの話である。写真は道の駅たじまのクルマ屋台で買ったそばなのだが、名前は覚えていない。ただ海苔付きの団子が食いたいというのと温かいものが欲しいという欲求に任せ、それに合致するそばをオーダーしたまでである。いくらかも覚えていない。

食欲を満たし、出すものをだし、積み荷を確認し、乗車してさあ出発となったときに、いつものところにいつもの感触がないことに気づいた。2つとも6インチは超えるもの、勘違いなわけがなく、一度積んだ荷物をほどき、ポケットというポケットをひっくり返し、屋台のテーブルからトイレまで確認したが、どこにもない。
最期の頼み綱、Androidで電源が入っていれば"端末を探す"機能が応答するはず、だったのだが。音を鳴らすも反応せず、通信範囲外なのかデバイスの位置が特定できず。
時刻は既に16時を回っており、今から南下しなければ明るいうちに帰ることはできない。しかしながら落としたスマホはこれまで付き合いのあった方々の連絡先が詰まっている個人情報の塊である。自己原因によるデータの消失なら頭を下げてもう一度教えてもらえば済む話だが、今はただ赤の他人に渡ることが何より恐ろしい。
最悪本日の出発地である新潟県長岡市まで戻ることになっても初夏の関越自動車道は夕方以外は比較的路面状態が良いことを知っていたので、夜間走行でも問題ない。結果、来た道を引き返すことに決めた。
国道352号線を使った区間は121号と400号の並走区間の合流地点から新潟県魚沼市小出まで。だいたい140km。セローに取り付けたLEDヘッドライトが路上に転がっているはずのスマホを照らしてくれるはずだ。
国道352号線は酷道として有名だが、それは新潟県側での話であり、より具体的には福島新潟県境から枝折峠付近が最も酷いとされている。しかしながら新潟県魚沼市小出までの話でそれ以西、もちろん福島県以東もちゃんと整備されている。自家用車でバイク・軽車両でないなら途中から新潟県道50号(奥只見シルバーライン)という道路が整備されているのでそちらを使うほうが安心だろう。
ちょっとだけ会津田島の街の方へ走り、普段は目もくれないENEOSでレギュラーガソリンを満タン給油、これも閉店ギリギリで来るものだからブツブツ言われたが気にしない。ここから新潟県まで対向車線に眼を凝らしながら走ることになる。地面を照らしてくれている太陽がみえる間にどこまで行けるか、確認できるかが鍵になるだろう。
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福島県南会津郡檜枝岐村。檜枝岐と書いてヒノエマタと読む。尾瀬といえば群馬県片品村を思い出すが、福島県側の入口はこの檜枝岐村に存在する(より具体的には新潟県魚沼市にも引っかかるが、こちらは大きな入口がない)。現在は路線バスや尾瀬のハイキングルートの一部をEVバスでパスすることができる山の駅 御池(ミイケ)として機能している。とりあえずは道の駅たじまの前で休憩した山の駅御池での捜索をするため、来た道を戻る。
緩やかな平地を抜け、集落の細くなった路地を抜け、トンネルを抜け、トンネル内捜索のため二度往復し、落ちているものを識別できなければ戻って確認し、小さな田園を抜ければそこから先は人里もまばらな場所を抜け新潟県まで続く山道となる。最悪は洗い越しに落下か、と考えていた瞬間、2つの捜し物は道路の真ん中で、数々のクルマに踏み付けられながらも回収を待っていてくれた。
後続車を確認、なし。セロー250のハザードランプを点火し、道路真ん中で停車。即座にスマホ2台、カバー等の残留物を回収し歩道へ退避。その直後猛スピードで迫ってきた地元ナンバーの車両に両腕で注意を促しつつ、セローを歩道へ退避させた。その一部始終はいつの間にかにいた軽トラのオジサマが見守っていたが、全てのクルマが走り去った後、オジサマも山道方面へと走り去った。後ほどサービスエリアマップで電波状態を確認してみた所、docomoもauも圏外であった。
他人の手に渡らず、かつ自力回収はしてホッと一息だが、自分自身もまた家に無事帰らなければ意味がない。スマホの状態は気になるが、一目でデータ回収ができればマシレベルであるのは理解したので、家に帰ってから全ての対処をすることにした。バッテリーが破裂するだとかは全く考えなかった。その後は一般道で帰るルートは取り止め、国道400号経由で西那須野のあたりから東北道を使い、なんとか帰宅できた。
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さて、寝る間も惜しんで検分である。
裏面はきれいなもんである。とはいえ落下の衝撃で筐体を構成するフレームはボコボコ。Umidigi Power3に至っては自慢のカメラがレンズ破壊状態で、明らかに使える気配がしない。g07+についてもスイッチ類はクリック感はあっても全く動作しない。(IMEI番号が記載されているため一部箇所にぼかしを入れている)

そして表面。画面が割れたまま使うと指に切り傷ができると聴いたことがあるが、その通りであった。恐らく2台は重なりあったまま60km/hで走行中の車体から落下し、Umidigi Power3から先に落着したのだろう。g07+がUmidigi Power3よりダメージが少ないのは、道路センターライン上に収まったという事情もあるかもしれない。どうにしろUmidigi Power3の方は多少照度センサーに反応して画面を点灯させようとする動きを見せるも意味がなく、Covia g07+はそもそもスイッチ故障と画面浮きで照明の点灯もしなかった。結局SIMカードとmicroSDのみを回収し、あとはリチウムイオンバッテリーの消耗を待って完全破棄とする見込みである。
Umidigi Power3に関しては一年持たず。g07+は3年は共にしてきた。双方ともdocomo 3Gとau 3G延命のために買ったスマホであり、g07+は十分に役目を果たし、Umidigi Power3は道半ばで役目を終えることとなった。
モノとの別れはいつ来るかわからないもので、愛着が湧いてしまうものほど別れは辛い。今回の場合はもうそろそろお役目御免になることや、本運用前であったことで経済的損失と個人情報のデータ損失で済んだが、経済的損失はともかく、データについては2021年となってはパソコンさえあれば誰でも覗き見ることができる時代なので、拾われてから回収される事態にはならなくてよかったと思っている。
もちろん拾ってもらった際、親切はありがたく受け取り、またお礼をさせていただくと共に、機密性が失われたことについて後悔することになるのである。
私はそういうめんどくさい一面を持っている。
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