Aspire One 533(2009発売)のセットアップ
ある日秋葉原にでかけたとき、6,000円ぐらいで程度の良い中古のAspire One 533を買ったので、どうせなら全部中古で構成し、セローで持ち回るパソコンとして使えるように頑張ってみたものです。だいたい1万円で済みました(誤って買ったDDR2 2GB:1,200円や、相性問題で使えなかったDDR3 2GB:1,200円はノーカウント)
<ハード面>
CPU: Intel Atom N455 (https://ark.intel.com/content/www/jp/ja/ark/products/49491/intel-atom-processor-n455-512k-cache-1-66-ghz.html)
MEM: DDR3 1GB(1枚)→DDR3 2GB(2GB):1,200円
Disk: HDD 160GB→HDD 500GB:1,500円
OS: Windows 7 Starter→FreeBSD 12.1R/amd64
Wireless: Broadcom BCM4313→Intel 3160 :600円(https://ark.intel.com/content/www/jp/ja/ark/products/75442/intel-dual-band-wireless-ac-3160.html)
・CPUの交換はできません。このCPUを搭載しているボードのMEM上限は2GBです。
・MEMに関しては、1ボードあたり両面8枚でないと相性問題が発生しそうな気がします。片面8チップ両面16枚では画面が立ち上がりませんでした。
・Aspire One 533は2.5inch Disk Driveが1台搭載可能です。年代や大きさの割には拡張性が高く、SSDに載せ替えると速度面や電力面に幸せになれるかもしれません。今回は費用対容量の関係上、ギガ単価の安い中古HDDを載せています。
・OSは、Windows7 Starterのサポート期限が終了しているので、インターネットにつなげるにはさらなる投資が必要です。
・FreeBSDは全体的にBroadcomの内蔵ワイアレスデバイスを苦手としているようです。ndisgenが使えればいいと思いますが、可能であればIntelやAtherosの内蔵ワイアレスデバイスを追加購入して交換してしまうほうが良いと思います。(IBM/Lenovoやhpは内蔵ワイアレスデバイスで有名な問題に直面するが、幸運にもこのマシンはAcerである)
・各部品の交換方法は、"Aspire One 533 SSD 換装"などで検索すれば、詳細に解説してくれるサイトや動画があるのでそちらに譲ります。一応書いておきますが、筐体ウラ面のシールに人為的な瑕疵があると保証対象外になるそうです。
・mSATAが載りそうなスロットがありますが、載せてもBIOSに出ません。おそらくdocomo-3Gのモジュールを載せるためのものと想定されます。ですがSIMスロットが存在しないため、苦労して3G/4Gモジュールを手配しても更に追加装備が必要になると思われます。
<ソフト面(FreeBSDの設定)>
・インストール:ディスクの構成
EFIではなくBIOSであることから、MBR+GPTでディスクを構成。スワップは明らかに無駄ですが(おそらく4Gで充分)、比較的余裕を持っていることと後で取り崩して別システムを突っ込むことも想定して、16Gぐらいにしておきます。
MBR+GPT
freebsd-boot 512k
freebsd-ufs 450G
・インストール:その他のメモ
MEMが2GBでZFSを使うのも乙なものですが、頼れる端末が他にない状況下ではUFSのほうが取り回しが効くと思います。(シングルディスクでZFSを使うメリットとしては、ファイル圧縮による容量節約がありますがCPUにその余力があるとはとても思えないので)
portsはFreeBSD起動後にportsnapコマンド等で手に入りますが、srcとlib32も後で手に入れることができますが、この時点でチェックを入れてダウンロードするといいかもしれません。-dbgも切りましょう。表示されていませんがkernelやbaseはきっちり入りますのでkernel-dbgやbase-dbgはチェックを外しても問題ありません。
sendmailやcoredumpは無効にします。基本的に使いません…(mailコマンドはわからないし、coredumpでデバッグするわけでもないので…)
ユーザは一つだけですが、wheelグループに追加したりシェルをcsh(tcsh)に設定するぐらいで、他はデフォルトです。
ここまで来たら、インストールディスクを抜いて、再起動します。
・再起動後の設定
/etc/rc.confに設定
kld_list="/boot/modules/i915kms.ko"
clear_tmp_enable="YES"
sendmail_enable="NONE"
hostname="お好きなホスト名を"
keymap="jp.kbd"
ntpdate_enable="YES"
powerd_enable="YES"
cursor="blink"
keyrate="fast"
dumpdev="NO"
wlans_iwm0="wlan0"
ifconfig_wlan0="WPA DHCP country JP"
slim_enable="YES"
dbus_enable="YES"
/etc/wpa_supplicant.conf
network={
ssid="接続先SSID"
psk="接続先SSIDのパスワード"
}
※wpa_passphressコマンドを使用することで、上記フォーマットを出力することができます。
必要なpkgのインストール
pkg install drm-legacy-kmod firefox-esr fluxbox ja-uim-mozc leafpad lxterminal pcmanfm plank slim slim-themes sudo thunderbird topless uim-gtk3 uim-qt5 vlc xf86-video-intel xf86-video-scfb xf86-video-vesa xorg
drm-legacy-kmod
…X表示用のintelドライバ。2009年ものだと古い部類。
firefox-esr
…ウェブブラウザ。Mozilla FirefoxのESR。Chromiumでもいいのだが好みの問題。MidoriやFalkonなどを使う手もあるかもしれない。
fluxbox
…X Window Manager。OpenBoxを使う手もあると思うが、必要な機能は揃っているし、枯れており、今後機能の追加も頻繁に発生しないと思われるので設定調整が必要な更新が発生しにくい。好みの問題。
ja-uim-mozc
…日本語入力用FEP。uimとmozcの日本語バージョン。
leafpad
…メモ帳代わり。プラグインはないが比較的動作も軽快で割と使う。もう少し高機能なものを使うのであればmousepadを使う手もあるかもしれない。
lxterminal
…ターミナル。sakuraやmltermなどを使う手もある。
pcmanfm
…ファイルマネージャ。デスクトップのファイル表示も兼ねる。ThunarがXfce依存でなければThunarにしたいところだが…
plank
…デスクトップランチャー。
slim、slim-themes
…Xログイン用。Linux方面ではlightdm。slim-themesでのfbsdがかっこいいのでこちらを使用。
sudo
…詳しくはGoogle先生に聞いてみてください。BSDならdoasコマンドも検討か。
thunderbird
…Mozillaのメーラー。紆余曲折あってMozillaに残留できた。
topless
…ターミナルで使うと便利なコマンド
uim-gtk3、uim-qt5
…ja-uim-mozcのFEPをタスクバーに表示できる他、インストールすると何故かgtkもしくはqt5の入力問題が改善することがあるため、2つともインストールしている(気のせいかもしれない)
vlc
…名の通るOSでは基本的に対応しており、だいたいのメディアファイルなら再生できるメディアプレイヤー。その代わり多少CPUパワーが必要。
xf86-video-intel
…intel製のグラフィックドライバの取りまとめ役
xf86-video-scfb xf86-video-vesa
…グラフィックドライバのフル機能は回せないが、とりあえずインストールされていればXの画面までは行ける確率を上げるワイルドカード的なグラフィックドライバ。ただしハードウェア支援機能が使用不能であることやxrandrなどで一部の機能は制限される。
xorg
…Xを表示するために必要なソフト群のメタポート。
/boot/loader.confの設定
security.bsd.allow_destructive_dtrace=0
kern.vt.fb.default_mode="1024x600"
i915kms_load="YES"
/usr/local/etc/slim.confの設定
current_theme default をコメント化
current_theme fbsd を追加
Xでログインするユーザで設定(~/.xinitrc)
#!/bin/sh
setxkbmap jp
export LANG=ja_JP.UTF-8
export GTK_IM_MODULE=xim
export QT_IM_MODULE=uim
export XMODIFIERS=@im=uim
export XIM=uim
/usr/local/bin/mozc start
uim-xim &
uim-toolbar-gtk3-systray &
plank &
lxterminal || xterm &
pcmanfm --desktop &
exec fluxbox || twm || xterm
その他の設定
Firefox … 日本語化とズーム機能、Adblock関係の追加以外は基本的にしません。その他に必要なトラフィックや計算が必要そうなものはほとんど切ります。MEMが2GBいけるなら問題はないが、1GBの場合はクリックの応答が3分後になるレベルなので、他のブラウザを検討したほうが良い。
plank … 最初に記録しているのはターミナルとFirefoxぐらいなので初回はlxterminalなどで起動して、plankにアイコンが表示されたら右クリックしてドッグに追加を繰り返します。
uim-mozc … 別記事を参照してください(https://gnshy.blogspot.com/2019/10/uim-mozc.html)
結果
充分に使えます。本当の意味でネットブックでしょう。VPN経由で自宅のシステムにも繋げられますし、ちょっと不満はありますがこの記事自体も書くことができています。また、本来の目的であるデータストレージとしても充分活躍できていますし、これからも期待できそうです。
難点
何度でも書きますがメモリ1GBで頑張ろうとすると、人生が1度だけでは時間が足りないと思われます。手に入れてしまったら即2GB化したほうがいいと思われます。(製品サポートもないだろうし)
1024x600という2020年におけるスマホより狭い解像度では完全に横幅を表示できないサイトもいくつかあるし、縦幅がとにかく余裕がないのでFirefoxのタブすら消したいと思うこともある。ほとんどの場合、一度に表示できるアプリケーションはほぼ1つだけ。ズーム機能などを利用して狭い画面を広く使う手は打つべきです。
<ハード面>
CPU: Intel Atom N455 (https://ark.intel.com/content/www/jp/ja/ark/products/49491/intel-atom-processor-n455-512k-cache-1-66-ghz.html)
MEM: DDR3 1GB(1枚)→DDR3 2GB(2GB):1,200円
Disk: HDD 160GB→HDD 500GB:1,500円
OS: Windows 7 Starter→FreeBSD 12.1R/amd64
Wireless: Broadcom BCM4313→Intel 3160 :600円(https://ark.intel.com/content/www/jp/ja/ark/products/75442/intel-dual-band-wireless-ac-3160.html)
・CPUの交換はできません。このCPUを搭載しているボードのMEM上限は2GBです。
・MEMに関しては、1ボードあたり両面8枚でないと相性問題が発生しそうな気がします。片面8チップ両面16枚では画面が立ち上がりませんでした。
・Aspire One 533は2.5inch Disk Driveが1台搭載可能です。年代や大きさの割には拡張性が高く、SSDに載せ替えると速度面や電力面に幸せになれるかもしれません。今回は費用対容量の関係上、ギガ単価の安い中古HDDを載せています。
・OSは、Windows7 Starterのサポート期限が終了しているので、インターネットにつなげるにはさらなる投資が必要です。
・FreeBSDは全体的にBroadcomの内蔵ワイアレスデバイスを苦手としているようです。ndisgenが使えればいいと思いますが、可能であればIntelやAtherosの内蔵ワイアレスデバイスを追加購入して交換してしまうほうが良いと思います。(IBM/Lenovoやhpは内蔵ワイアレスデバイスで有名な問題に直面するが、幸運にもこのマシンはAcerである)
・各部品の交換方法は、"Aspire One 533 SSD 換装"などで検索すれば、詳細に解説してくれるサイトや動画があるのでそちらに譲ります。一応書いておきますが、筐体ウラ面のシールに人為的な瑕疵があると保証対象外になるそうです。
・mSATAが載りそうなスロットがありますが、載せてもBIOSに出ません。おそらくdocomo-3Gのモジュールを載せるためのものと想定されます。ですがSIMスロットが存在しないため、苦労して3G/4Gモジュールを手配しても更に追加装備が必要になると思われます。
<ソフト面(FreeBSDの設定)>
・インストール:ディスクの構成
EFIではなくBIOSであることから、MBR+GPTでディスクを構成。スワップは明らかに無駄ですが(おそらく4Gで充分)、比較的余裕を持っていることと後で取り崩して別システムを突っ込むことも想定して、16Gぐらいにしておきます。
MBR+GPT
freebsd-boot 512k
freebsd-ufs 450G
freebsd-swap 16G
注記:freebsd-swapは8Gを超えてswapを確保する意味がないそうです。
・インストール:その他のメモ
MEMが2GBでZFSを使うのも乙なものですが、頼れる端末が他にない状況下ではUFSのほうが取り回しが効くと思います。(シングルディスクでZFSを使うメリットとしては、ファイル圧縮による容量節約がありますがCPUにその余力があるとはとても思えないので)
portsはFreeBSD起動後にportsnapコマンド等で手に入りますが、srcとlib32も後で手に入れることができますが、この時点でチェックを入れてダウンロードするといいかもしれません。-dbgも切りましょう。表示されていませんがkernelやbaseはきっちり入りますのでkernel-dbgやbase-dbgはチェックを外しても問題ありません。
sendmailやcoredumpは無効にします。基本的に使いません…(mailコマンドはわからないし、coredumpでデバッグするわけでもないので…)
ユーザは一つだけですが、wheelグループに追加したりシェルをcsh(tcsh)に設定するぐらいで、他はデフォルトです。
ここまで来たら、インストールディスクを抜いて、再起動します。
・再起動後の設定
/etc/rc.confに設定
kld_list="/boot/modules/i915kms.ko"
clear_tmp_enable="YES"
sendmail_enable="NONE"
hostname="お好きなホスト名を"
keymap="jp.kbd"
ntpdate_enable="YES"
powerd_enable="YES"
cursor="blink"
keyrate="fast"
dumpdev="NO"
wlans_iwm0="wlan0"
ifconfig_wlan0="WPA DHCP country JP"
slim_enable="YES"
dbus_enable="YES"
/etc/wpa_supplicant.conf
network={
ssid="接続先SSID"
psk="接続先SSIDのパスワード"
}
※wpa_passphressコマンドを使用することで、上記フォーマットを出力することができます。
必要なpkgのインストール
pkg install drm-legacy-kmod firefox-esr fluxbox ja-uim-mozc leafpad lxterminal pcmanfm plank slim slim-themes sudo thunderbird topless uim-gtk3 uim-qt5 vlc xf86-video-intel xf86-video-scfb xf86-video-vesa xorg
drm-legacy-kmod
…X表示用のintelドライバ。2009年ものだと古い部類。
firefox-esr
…ウェブブラウザ。Mozilla FirefoxのESR。Chromiumでもいいのだが好みの問題。MidoriやFalkonなどを使う手もあるかもしれない。
fluxbox
…X Window Manager。OpenBoxを使う手もあると思うが、必要な機能は揃っているし、枯れており、今後機能の追加も頻繁に発生しないと思われるので設定調整が必要な更新が発生しにくい。好みの問題。
ja-uim-mozc
…日本語入力用FEP。uimとmozcの日本語バージョン。
leafpad
…メモ帳代わり。プラグインはないが比較的動作も軽快で割と使う。もう少し高機能なものを使うのであればmousepadを使う手もあるかもしれない。
lxterminal
…ターミナル。sakuraやmltermなどを使う手もある。
pcmanfm
…ファイルマネージャ。デスクトップのファイル表示も兼ねる。ThunarがXfce依存でなければThunarにしたいところだが…
plank
…デスクトップランチャー。
slim、slim-themes
…Xログイン用。Linux方面ではlightdm。slim-themesでのfbsdがかっこいいのでこちらを使用。
sudo
…詳しくはGoogle先生に聞いてみてください。BSDならdoasコマンドも検討か。
thunderbird
…Mozillaのメーラー。紆余曲折あってMozillaに残留できた。
topless
…ターミナルで使うと便利なコマンド
uim-gtk3、uim-qt5
…ja-uim-mozcのFEPをタスクバーに表示できる他、インストールすると何故かgtkもしくはqt5の入力問題が改善することがあるため、2つともインストールしている(気のせいかもしれない)
vlc
…名の通るOSでは基本的に対応しており、だいたいのメディアファイルなら再生できるメディアプレイヤー。その代わり多少CPUパワーが必要。
xf86-video-intel
…intel製のグラフィックドライバの取りまとめ役
xf86-video-scfb xf86-video-vesa
…グラフィックドライバのフル機能は回せないが、とりあえずインストールされていればXの画面までは行ける確率を上げるワイルドカード的なグラフィックドライバ。ただしハードウェア支援機能が使用不能であることやxrandrなどで一部の機能は制限される。
xorg
…Xを表示するために必要なソフト群のメタポート。
/boot/loader.confの設定
security.bsd.allow_destructive_dtrace=0
kern.vt.fb.default_mode="1024x600"
i915kms_load="YES"
/usr/local/etc/slim.confの設定
current_theme default をコメント化
current_theme fbsd を追加
Xでログインするユーザで設定(~/.xinitrc)
#!/bin/sh
setxkbmap jp
export LANG=ja_JP.UTF-8
export GTK_IM_MODULE=xim
export QT_IM_MODULE=uim
export XMODIFIERS=@im=uim
export XIM=uim
/usr/local/bin/mozc start
uim-xim &
uim-toolbar-gtk3-systray &
plank &
lxterminal || xterm &
pcmanfm --desktop &
exec fluxbox || twm || xterm
その他の設定
Firefox … 日本語化とズーム機能、Adblock関係の追加以外は基本的にしません。その他に必要なトラフィックや計算が必要そうなものはほとんど切ります。MEMが2GBいけるなら問題はないが、1GBの場合はクリックの応答が3分後になるレベルなので、他のブラウザを検討したほうが良い。
plank … 最初に記録しているのはターミナルとFirefoxぐらいなので初回はlxterminalなどで起動して、plankにアイコンが表示されたら右クリックしてドッグに追加を繰り返します。
uim-mozc … 別記事を参照してください(https://gnshy.blogspot.com/2019/10/uim-mozc.html)
結果
充分に使えます。本当の意味でネットブックでしょう。VPN経由で自宅のシステムにも繋げられますし、ちょっと不満はありますがこの記事自体も書くことができています。また、本来の目的であるデータストレージとしても充分活躍できていますし、これからも期待できそうです。
難点
何度でも書きますがメモリ1GBで頑張ろうとすると、人生が1度だけでは時間が足りないと思われます。手に入れてしまったら即2GB化したほうがいいと思われます。(製品サポートもないだろうし)
1024x600という2020年におけるスマホより狭い解像度では完全に横幅を表示できないサイトもいくつかあるし、縦幅がとにかく余裕がないのでFirefoxのタブすら消したいと思うこともある。ほとんどの場合、一度に表示できるアプリケーションはほぼ1つだけ。ズーム機能などを利用して狭い画面を広く使う手は打つべきです。
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