セロー250と冷間始動
セローは225の時代から冬場のエンジン始動に弱いというジンクスのようなものがある。漫画ばくおん!!では女子高生・天野恩紗が通学するために使っているバイク、セロー225に対してお湯をかけ、暖機運転をするという一幕もある。また色々な所で話を効く限り、セローはエンジンが掛からないので冬場では別のバイクに乗るということも聴いた。
残念なことにカネナシ頼るトモなしの私はタイヤの4つ着いたクルマなど持っているはずもなかったのでセロー250一丁でなんとかするしか無い。冬場のエンジン始動はなんとしてでもなしえないとまともに移動すらできなかったりするのだ。
残念なことにカネナシ頼るトモなしの私はタイヤの4つ着いたクルマなど持っているはずもなかったのでセロー250一丁でなんとかするしか無い。冬場のエンジン始動はなんとしてでもなしえないとまともに移動すらできなかったりするのだ。
ところでセロー250に限らず、バイクのエンジン始動は1を契機として下記のフローをほぼ自動的に実行する。
1. イグニッションスイッチを押す(若しくはキックスタート)
2. ECUの指示に応じセルモーターを動作させる。
3. ECUの指示に応じ、エンジン内部に霧状燃料(ガソリン)を噴射する
4. 鉛蓄電池(MFバッテリー等)により、スパークプラグをスパークさせ、霧状燃料に着火する。
4. 鉛蓄電池(MFバッテリー等)により、スパークプラグをスパークさせ、霧状燃料に着火する。
5. 爆発の勢いを利用してピストンを上下させる
(この時、エンジンの回転に対し、ギアの動作が追従できない状態:ギアがニュートラルではないもしくはクラッチを握っていない状態ではエンストさせる)
6. エンジンとミッションの動作により、ジェネレーターとオルタネーターが作動し、灯火設備、鉛蓄電池等に電力を供給する。
(この時、エンジンの回転に対し、ギアの動作が追従できない状態:ギアがニュートラルではないもしくはクラッチを握っていない状態ではエンストさせる)
6. エンジンとミッションの動作により、ジェネレーターとオルタネーターが作動し、灯火設備、鉛蓄電池等に電力を供給する。
昨今、四輪にしろバイクにしろ1以外は特に手を入れる必要はないのだが、乗り手がある程度コントロールできる部分について多少手を加えてやることで冬場のエンジン始動性は改善できるということを最近知ったので、ここに書き記しておきたい。
繰り返しになるが、セローではバッテリーが弱い:もといヤマハ製のバイクはバッテリーが弱いとされている。これが本当かどうかは定かではないが、少なくとも私のセローのエンジンではなんとかなって欲しいので下記の面では気を配ることができるということが分かった。
①2の燃料の質
②3のスパークプラグ着火率→バッテリー性能
③4のミッションオイル硬さ
①の燃料の質:
セローはレギュラーガソリン:JIS規格ではオクタン価86以上の物を使用する自動二輪である。これについてできることがあるとすれば、何らかのヒーターや温かいものを使用して温めてガソリンを揮発させやすくするぐらいしかなく、明け方にエンジンがかかりにくく、昼間ではエンジンがかかりやすいというのはこの事象が絡んでいると言える。また、混合比という言葉にあるように空気と噴射燃料の混合気体に対してスパークプラグによって着火するものだから、空気に水分が含まれやすい明け方(夜間の雨や朝露の蒸発など…)も相まって始動率が悪くなるようだ。基本的に09:00以降であれば曇でもある程度気温は上がっているものなので始動性は良くなるはず。(10℃以下は人為的に温めなければムリかもしれません)
いくつかの理由(*1)において私はShell V-Power以外使用していない。これは昭和シェル石油(本記事作成時では出光昭和シェル)におけるハイオクとなるのでオクタン価96のガソリンということらしい。オクタン価が高いとどうなるかと言うと着火率が悪くなる。爆発の威力はレギュラーよりも高いので高排気量のバイクではハイオク前提となっている。ただしセローには関係ないのでPEA配合添加剤を入れる手間を省くことも含めてShell V-Powerを使っている。
②のスパークプラグ着火率
これは電気をチャージしある部分に放電(スパーク)するのでスパークプラグと呼ばれている。セローの場合これの交換時期は5000km以上走行した場合に取り替えたほうが良いと言われている。ところが時と場合によっては8000km程度走ってくれる事が多いのでおサボりすることが多い。経年劣化(走行距離)が進むと燃料の燃焼による鉄分の酸化によりスパークするときの電気の経路がどんどん狭小、スパーク力(放電力)がどんどん下がっていくため、着火率は下がっていく。
次にバッテリー性能。電圧が高ければ高いほど、エンジン始動時のスパークの力:着火率が上がっていく。バッテリーチャージが行われない状況では乾電池と同じように自然放電していくため、鉛蓄電池の出力可能な電力が低下していく。セローの場合これが1年後バッテリー交換が必要になるほどバッテリー容量が低下している恐れが高い。エンジン始動においては、セルモーターへの電力供給を第一とし、その次にスパークプラグへの電力供給となる。フレームに対してスパークプラグを放電する行為は空気圧縮中における放電とは違って負荷が軽いので新品を使用している状況下では動作確認以外にはあまり意味はないだろう。
いくつかの理由(*1)において私はShell V-Power以外使用していない。これは昭和シェル石油(本記事作成時では出光昭和シェル)におけるハイオクとなるのでオクタン価96のガソリンということらしい。オクタン価が高いとどうなるかと言うと着火率が悪くなる。爆発の威力はレギュラーよりも高いので高排気量のバイクではハイオク前提となっている。ただしセローには関係ないのでPEA配合添加剤を入れる手間を省くことも含めてShell V-Powerを使っている。
②のスパークプラグ着火率
これは電気をチャージしある部分に放電(スパーク)するのでスパークプラグと呼ばれている。セローの場合これの交換時期は5000km以上走行した場合に取り替えたほうが良いと言われている。ところが時と場合によっては8000km程度走ってくれる事が多いのでおサボりすることが多い。経年劣化(走行距離)が進むと燃料の燃焼による鉄分の酸化によりスパークするときの電気の経路がどんどん狭小、スパーク力(放電力)がどんどん下がっていくため、着火率は下がっていく。
次にバッテリー性能。電圧が高ければ高いほど、エンジン始動時のスパークの力:着火率が上がっていく。バッテリーチャージが行われない状況では乾電池と同じように自然放電していくため、鉛蓄電池の出力可能な電力が低下していく。セローの場合これが1年後バッテリー交換が必要になるほどバッテリー容量が低下している恐れが高い。エンジン始動においては、セルモーターへの電力供給を第一とし、その次にスパークプラグへの電力供給となる。フレームに対してスパークプラグを放電する行為は空気圧縮中における放電とは違って負荷が軽いので新品を使用している状況下では動作確認以外にはあまり意味はないだろう。
③のミッションオイル硬さ
セローの場合は10W-40の4stオイルが指定されている。これは冷たい時規格10のもの(-20℃程度)から40℃(程度)までオイルの流度(*2)を保証するものらしい。バイクの場合、ミッション・エンジン共用なので徐々に減っていくのが普通とのこと。より具体的にはエンジンを潤滑に動かす・エンジンの機密を保つ・エンジンで発生した熱を吸収放出・エンジン内部の汚れを洗浄・エンジン内部のサビの防止とされているが、そこらへんは他の詳しいサイトに譲る(*3)。
どうにせよ、オイルの温度が低ければ粘り気は強くなるし温度が高ければサラサラになるということを覚えておけば運用上は問題ない。
といったところで。
こんな事いちいち覚えてられないので、とりあえず何十回か試すことで始動することは可能であるだろう、という手順を考えてみた。
[1]キルスイッチをOFFにする
[2]キースイッチをOFFにする
[3]キースイッチをONにし、ニュートラルでなければニュートラルに変更する。
[4]バイクにまたがり、スタンドをあげる
[5]できるだけ車体を平行にする
[6]スタンドのある側と反対側にまたがったままできるだけバンクさせ10秒維持する
[7]バイクの傾きを並行に戻す
[8]イグニッションスイッチを操作する
動いた→暖機運転へ
動かない→[9]へ
[9]この手順は6回めである
はい→[10]へ
いいえ→[2]へ
[10]スタンドを立て、バイクから降りる。
[11]新品のスパークプラグは?
[1]キルスイッチをOFFにする
[2]キースイッチをOFFにする
[3]キースイッチをONにし、ニュートラルでなければニュートラルに変更する。
[4]バイクにまたがり、スタンドをあげる
[5]できるだけ車体を平行にする
[6]スタンドのある側と反対側にまたがったままできるだけバンクさせ10秒維持する
[7]バイクの傾きを並行に戻す
[8]イグニッションスイッチを操作する
動いた→暖機運転へ
動かない→[9]へ
[9]この手順は6回めである
はい→[10]へ
いいえ→[2]へ
[10]スタンドを立て、バイクから降りる。
[11]新品のスパークプラグは?
持っている→[12]へ
持っていない→[14]へ
[12]新品のスパークプラグに交換する
[13][1][2][3][4][5][6][7][8]を順に1度実施する
動いた→暖機運転へ
動かない→[14]へ
[14]キースイッチをOFFにする
[15]バイクに跨がらず、スタンドをあげる
[16]キースイッチをONにする
[17]トップギアに変更する
(バイクを前に押しながらギア操作するとエンジン始動していなくてもギアチェンジ可能)
[18]ぎりぎりつながる程度に半クラッチしながらできるだけ全力疾走しつつ、イグニッションスイッチを押しながらクラッチを切る
動いた→できるだけ安全に停止し、暖機運転へ
動かない→[1]に戻る、もしくは諦めて気温上昇を待つ
持っていない→[14]へ
[12]新品のスパークプラグに交換する
[13][1][2][3][4][5][6][7][8]を順に1度実施する
動いた→暖機運転へ
動かない→[14]へ
[14]キースイッチをOFFにする
[15]バイクに跨がらず、スタンドをあげる
[16]キースイッチをONにする
[17]トップギアに変更する
(バイクを前に押しながらギア操作するとエンジン始動していなくてもギアチェンジ可能)
[18]ぎりぎりつながる程度に半クラッチしながらできるだけ全力疾走しつつ、イグニッションスイッチを押しながらクラッチを切る
動いた→できるだけ安全に停止し、暖機運転へ
動かない→[1]に戻る、もしくは諦めて気温上昇を待つ
…長い。
フューエルインジェクション車(いわゆるFI車)での押しがけ[16][17][18]は、あまり意味がないとされているが、ミッションの中で固くなったオイルの部分を少しでもなじませることや多少発電は行われると思うのでスパーク負荷の軽減ぐらいにはなるんだろう、という考え。坂道があれば下りながらやるのも良いのだが、それで確実にかかるかどうかはわからない。
フューエルインジェクション車(いわゆるFI車)での押しがけ[16][17][18]は、あまり意味がないとされているが、ミッションの中で固くなったオイルの部分を少しでもなじませることや多少発電は行われると思うのでスパーク負荷の軽減ぐらいにはなるんだろう、という考え。坂道があれば下りながらやるのも良いのだが、それで確実にかかるかどうかはわからない。
追記2021/01/01
結局の所、スパークプラグを取り替えることが一番効果があった。冬季は5000kmを超えたら、その他は8000kmぐらいまでサボっていいかもしれない。
追記2021/01/03
スパークプラグの動作の仕組みと劣化具合に関するメーカーのサイト。わかりやすい。
「プラグはメーカー指定、または弊社の推奨する品番を取り付けるようにしてください。」NGKスパークプラグ製品サイト(日本語・テキスト)
「プラグの基礎知識>プラグの寿命」デンソースパークプラグ(日本語・テキスト)
【スパークプラグの劣化メカニズムと交換目安】今日から始める スパークプラグの予防整備・予防交換【NGKスパークプラグ公式】(日本語・YouTube)
*1: PEAが配合により少なからずエンジン内部をある程度除去する能力を確実に持っており、添加剤を使う必要がない。昭和シェルのGSが家から一番近い。何より使っているとどの車で走っていても普通に気持ちが良い。
*2: 製品によって異なるが、聴く所によるとアメリカの規格で定まっているもの、とのこと。
*3: 理解していない、ともいう。
「プラグはメーカー指定、または弊社の推奨する品番を取り付けるようにしてください。」NGKスパークプラグ製品サイト(日本語・テキスト)
「プラグの基礎知識>プラグの寿命」デンソースパークプラグ(日本語・テキスト)
【スパークプラグの劣化メカニズムと交換目安】今日から始める スパークプラグの予防整備・予防交換【NGKスパークプラグ公式】(日本語・YouTube)
*1: PEAが配合により少なからずエンジン内部をある程度除去する能力を確実に持っており、添加剤を使う必要がない。昭和シェルのGSが家から一番近い。何より使っているとどの車で走っていても普通に気持ちが良い。
*2: 製品によって異なるが、聴く所によるとアメリカの規格で定まっているもの、とのこと。
*3: 理解していない、ともいう。
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